秋潮やフェリーで渡る郵便夫 オリーブの熟るる浜辺や鯨の碑 兵の墓立ちし前島萩の風 小豆島屋島も眼下島の秋 大阪城築城の石虫時雨 秋の日の紅一点の晴れ女        木村英一郎 −−−−−−−−−−−−−−− 露草は海色くぢら供養塔 廃屋を丸ごと覆ふ葛の花 海渡る築城残石印薄れ 人ひとり見えぬ島道昼の虫 潮待ちの港色なき風ばかり 白萩や寺の譜進の槌の音        景山薫 −−−−−−−−−−−−−−− (番外編) 我が人生敗者復活前島で        高谷 昇 −−−−−−−−−−−−−−−