ある日突然に耳が‥‥‥「突発性難聴」

 平成12年3月 岡山支部情報紙・第41号         

 一月の中旬のこと電話が鳴った、いつもは左手で取る電話機を何気なく右手で取り右耳へ、小さな音はするが声が聞こえない、アレッ!電話機が故障かな?ふと左耳へ当てると話し声が飛ぴ込んで来るではないか。
 通話が終わって左右の耳にソッと人さし指を入れてみると左耳はゴソゴソ音はするが右耳は全く音がせず感覚が無い、右の耳が聞こえていない!。しかし鼓膜が破れた音もなけれぱ痛みもなかった、ついに脳がヤラレタか、そういえば前日の昼前頃から何となく右耳の違和感があり耳鳴りがしていたようだった。
 翌朝慌てて医者へ駆け込み、診察と聴力検査の結果、医師は私に告げた。
「あなたの症状はメニエール病ではなく突発性難聴と思われます」
病名は聞いたことがあるものの全く知識のない私に医師は説明してくれた。
「突発性難聴」の原因はよく分かっていないこと、従ってはっきりした治療法はないが[高気圧酸素療法」が有効とされているのだが近くでは岡大病院にしか施設がないとのことであった。 この病気は、片方の耳だけに強い難聴(60DB)が突然に起きるのが特徴で40・50歳代の人が多いが高齢者にも出るし、最近は学童の「心因性突発難聴」も間題になっているそうです。 治療は出来るだけ早く、発症後一週問以内には始めることが必要で、早いほど比較的結果が良いとのことです(遅くとも2週間以内)。




  内耳の循環促進する「循環改善薬」や「神経機能改善薬」・「ビタミン薬」の服用等の治療があり、薬物投与で治る場合もありますが、。療を始めてから直ぐに快復し始めるものほど治りやすく、2週間以内に恢復の兆しが見えてくることが、その後の経過を左右するそうです。 いずれにせよこの病気の患者の治癒率は約1/3であり、1/3は快復はするものの聴カが元のレベルまでは戻らず、残りの1/3は聴力が殆ど回復しないと言うことだそうです。


  医師 「薬の投与で暫く様子を見ますか、それとも最初から徹底治療をされますか?」
  私  「どちらが治る確率がよいのですか」

  医師 「徹底治療の方が確率がよいと思われます、2週間以上の入院が必要となりますが」  私  「徹底治療でお願いします」


  と言うことで紹介状を貰って翌日に岡大付属病院耳鼻咽喉科へ行き、即入院となりました。

 高気圧酸素コは、潜水艦を輪切りにしたような部屋で、治療は先ず首に頭右半分の血行をよくする注射を一本、40分間で加圧・40分間定圧・40分間で減圧計2時間、その間ずっと酸素マスクと血管拡張剤の点滴、これを一日に午前.午後の2回、そして19時からは神経ストレス緩和剤と血流促進剤を5時間かけて点滴の毎日でした(土日は休みでした)。

 私の場合は、早期治療と諸般の条件にも恵まれ5〜6日頃から好転が認められ、2月の初旬には退院をすることが出来、退院時とその2週間後の検診では左右の耳の聴カは全く同じになっていました。諸氏に感謝すること大です。
 「65歳の年令で、これだけ完全に戻ったのは早期治療の賜と思われます、知人の方々にも症状が出たら、年だと思って諦めずに、直ぐ治療するように教えてあげて下さい。」退院時の医師の一言でした。

  皆様方、または身近な方で万一同じ様な症状が出たときは、はやく医師に相談し治療をすることをおすすめする次第です。
 私の突然の体験が何らかの参考になれぱと思い報告いたします。

2000年3月 RSK・OB 坂川 弘祐       

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