薫風や塩飽水軍辿る径 本島の夏至るところ道祖神 水軍の往時の勢ひや瀬戸の夏 行本 章允(OHK−OB) −−−−−−−−−−−−−− 水軍の島を浮かべて 夏霞 人名のほこりの島に 風薫る 夏草や 島に残りし埋め墓 妹尾 信秀(RSK−OB) −−−−−−−−−−−−−− 波音は海の調べや五月来る 白壁の路地を吹き抜け若葉風 家並み皆江戸の格子戸夏燕  連なりて瀬戸の大橋風薫る 舟虫や塩飽水軍夢の跡 埋め墓も島の慣はし竹落葉 ミサゴ二羽中天に舞ふ五月晴 薫風や開け放たれし勤番所 どこからも青き海見え島五月 絵心を研ぎ澄まされて花菖蒲 松田 通男(RSK−OB) −−−−−−−−−−−−−− ドラゴンのやうな大橋夏の海 島巡る夏鶯を道ずれに 勤番所跡の高塀棕櫚の花 紙魚なけど朱の色褪せし朱印状 夏座敷咸臨丸の模型置き 薫風や大きな鏝絵古民家に まなかひに讃岐富士見え夏の浜 木村 英一郎(RSK−OB) −−−−−−−−−−−−−− 廃屋のポストに絡む青き蔦 青葉光届く咸臨丸模型 若葉風潮風くねる島の道 景山 薫(RSK−OB) −−−−−−−−−−−−−− (完)