安田 了三 の旅便り No3

東北縦断・車中泊31日間紅葉を尋ねて

 平成12年11月 RSK・OB  安田 了三

東北旅行のルート図
 なんとアホなことをするものだな〜と半ばあきれ顔の親族の嘲笑にもめげず鍋・釜こそ積んでいませんが車の中で寝るためのムートンや寝袋、ランタン、地図類などを満載して岡山を出発。
 まずは日本海側を津軽半島最先端の竜飛岬を目指しました。出来るだけ一般道路を走り、寝泊りする時だけ高速道路のサービスエリアに上がります。高速道路の無い地域では道の駅に泊まります。
 4日ぐらいで着く予定の龍飛へは8日間もかかりました。富山で突然立山・黒部に行くことにしたためです。立山室堂(3015m)の紅葉はすでに最盛期でつづれ錦でした。
 日本海の夕陽はとてもきれいでした。青森県の不老不死温泉ではたそがれどき老いも若きも素っ裸で海岸の露天風呂につかり沈み行く太陽を固唾を飲んで見ていました。
津軽半島・竜飛岬 八甲田山

  竜飛岬は青函海底トンネルの工事基地であり今は地下深くの【竜飛海底駅】への入り口です。
 工事に使ったケーブルカーで800m下り、海底駅を見学しました。このケーブルカーこそ立山の地下をくりぬいて走っているものとともに日本に2つしかないトンネル内走行方式で、先日火災事故を起こしたオーストリア・ザルツブルグ近郊のものと同一です。
 海底駅を見るなら青森駅から出ている函館行きの快速電車に乗るのが正解です。1日4本の列車がここに止まり乗降できます。地上に出て景色を見たら又海底駅から青森に帰ります。
 JRが見学用に指定の乗車券を発売しています。
 八甲田山は紅葉真っ盛りで天気にも恵まれ素晴らしい眺めでした。明治時代厳冬の陸軍の演習で兵士199人が凍死した記念碑にもお参りしました。
初冠雪の岩手山 盛岡冷麺

 地震活動が心配される岩手山は登山が禁じられています。ふもとの東北自動車道岩手山SAはこの日(10月15日)朝の気温が2度まで下がりました。
 盛岡はワンコソバが名物ですが妙なものも流行っています。韓国風の冷麺とじゃじゃ麺というものです。冷麺はキムチが入った辛いもので麺は腰の強い太麺です。冬でもあるそうです。じゃじゃ麺はうどんの釜揚げにひき肉などが入った味噌をかき混ぜて食べます。 個人的には岡山の冷麺や讃岐うどんの方が数倍もおいしいと思いました。
蔵王山頂・お釜 福島県安達町・高村智恵子生家

 
遠野物語で知られた太平洋側岩手県の遠野市へも足を伸ばしました。古い南部曲り家は今でも人が生活していますが中は見せてもらえました。東北の太平洋側は温泉がほとんど無いので銭湯を探すのに苦労しました
蔵王は頂上がマイナス2度で霜柱が7〜8センチにも育っていました。
 一般国道を走っていると色々なものが見えます。国道4号線沿い福島県安達町は高村光太郎の夫人智恵子さんの生家が保存されていて今観光の目玉として売り出し中です。生家の隣にはボランティアが経営するお土産屋があり交代で店番をしている青年会の人が光太郎や智恵子について色々話してくれました。何も買わなくてもお茶のサービスまでありました。ちなみに高村光太郎記念館は盛岡の郊外にありますが前回訪問したので今回はパスしました。
 山形県米沢市、福島県喜多方市、福島県白河市はいずれもラーメン屋さんの激戦地です。
 どの町でも1日2食もラーメンを食べ歩きました。
 また、栃木県宇都宮市は餃子で有名な町だそうです。行くまではぜんぜん知りませんでしたが町中に数え切れないほどの餃子屋さんがあります。
 磐梯山も地殻変動で立ち入り禁止でした。そう言えば山頂付近で2か所も噴気が立ちのぼるのが見えました。裏磐梯への立ち入りはOKでしたので五色沼を3kmほど散策しました。紅葉も素晴らしかったのですが観光客の多さにもたまげました。
江戸時代の宿場町は全国各地に残っていますが大内宿は宿場全部がほぼ完全な形で山間の交通不便なところにあります。それでも珍しいのか大勢の人が観光に押しかけていました。例えて言うなら岡山県の新庄村のような感じです。
裏磐梯五色沼 福島県下郷町・大内宿

今回の旅には【半島を回る】というテーマもありました。男鹿半島、津軽半島、下北半島、房総半島、伊豆半島、渥美半島といくつもの半島巡りをしましたが房総半島は犬吠埼から東京湾の入り口までの外房(ソトボウ)が明るく暖かいので気に入りました。
その房総半島の付け根には東京ディズニーランド(TDL)があります。
 去年行った時は最初に乗ったスペースマウンテンという乗り物で恐怖を覚え他はほとんど何にも乗らなかったので今回は腹を据えてビッグサンダ−マウンテンやスプラッシュマウンテンにも乗り、前回の雪辱でもう一度スペースマウンテンにも乗ってきました。覚悟すればあまり怖くはありませんでした。
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1日パスポート 大人\5,500→シニアー\4,800


西伊豆松崎町・ナマコ壁 愛知県吉良町・華蔵寺

 伊豆松崎温泉には江戸時代の漆喰壁レリーフの名人伊豆の長八を記念する美術館がありました。町中にナマコ壁の住まいがあってとても優雅でした。
 忠臣蔵は浅野家の物語ですが私たちは吉良方の知識はほとんどありません。菩提を弔う華蔵寺によると領民にはとても良いお殿様だったようです。

 今回訪れた名所や観光地、温泉、名物などを順番に書いて見ます。

舞鶴引揚記念館、舞鶴トレトレ市場、金沢市の金箔工場、巨人・松井秀喜選手記念館、安宅関跡、新潟県JR直江津駅の名物駅弁、新潟県寺泊町・魚のアメ横、青森県不老不死温泉、青森県竜飛岬青函トンネル記念館、JR竜飛海底駅、林檎日本一の青森県浪岡町、岩木山スカイライン(1625m)、大鰐温泉、酸ケ湯温泉、八甲田山ロープウエイ(1585m)・雪中行軍記念碑、十和田湖・奥入瀬、浅虫温泉、恐山秋季大祭イタコの口寄せ、本州最北端・大間町、青森駅前市場、弘前市・棟方志功記念館、弘前市民会館・津軽三味線鑑賞、秋田県鹿角市・大湯環状列石(ストーンサークル)、岩手県二戸市・金田一温泉、盛岡市・石川啄木望郷の丘、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺、岩手山(2041m)噴火活動で危険なため登山禁止、八幡平アスピーテライン(1614m)、田沢湖、小岩井農場、岩手県遠野市の南部曲り家、江刺市・藤原の郷、本州を横断して鳥海山へ(2230m)、月山湖・日本一の噴水、山形市・立石寺、仙台市観光、遠刈田温泉、蔵王山(1841m)、山形県・上山温泉、米沢市・上杉鷹山記念館、飯坂温泉、福島県・安達町高村智恵子生家、土湯温泉、裏磐梯五色沼、磐梯熱海温泉、猪苗代湖、喜多方ラーメン、福島県・下郷町大内宿、白河ラーメン、新那須温泉、栃木明治の森・青木周蔵那須別邸、那須塩原温泉、日光塩原もみじラインドライブウエイ、日光杉並木、宇都宮の餃子、千葉県成田市・成田山新勝寺、東京ディズニーランド、犬吠埼、九十九里浜、房総半島先端野島崎灯台、木更津から東京湾アクアライン、箱根芦ノ湖、静岡県韮崎町の反射炉、修善寺温泉、伊豆半島松崎町・長八美術館とナマコ壁住宅、西伊豆・戸田温泉、静岡県大井川町・川越宿、浜名湖、渥美半島・伊良湖岬、愛知県吉良町・華蔵寺(吉良上野乃介菩提寺)、三重県四日市市郊外・湯の山温泉、奈良県桜井市・長谷寺、奈良県明日香村・石舞台古墳、奈良国立博物館・正倉院展と正倉院校倉造り、奈良の大仏、奈良公園

期間:平成12年10月2日〜11月1日  31日間
走行距離:6200km
総費用:310,000円(2人)
内訳…食料費(酒、タバコ込み) ¥100,000   
    ガソリン代   ¥73,000
    観光費     ¥59,000
    通行料     ¥24,000   
    入浴料     ¥24,000 
    写真、土産その他 ¥30,000
ボルボはレギュラーガソリンです。岡山を出るときは1リットル¥105でした。福井県、新潟県山形県などは¥106〜¥108でしたが高速道路のSAは¥100でした。
一番安かったのは兵庫県太子町のR2沿いのキグナスで¥92でした。
(終わり)
 
                          RSK・OB  安田 了三